第12章 懐かしい顔と新しい顔
ゴロゴロ、くぅん、とすりすりしてくる二人をなでなでしながら座り込む。
イタチも撫で始めると二人は、彼にもすりすりしだした。
デイダラは、「ふん!」と鼻を鳴らして帰っていき、サソリさんはそれを横目でちらっと見てから私に向き直る。
「おい、それどうするつもりだ?」
「どうするって…別にどうもしませんが…?」
どういうこと?
「何で契約しない?」
「「「契約?」」」
ミケ、タマと声を揃えると、面倒そうな舌打ちが返ってきた。
「おい、チビ共。ここへは何しにきたんだ。」
「「冒険。」」
口を揃えて言う二人に、サソリさんはげんなりする。
「おうちがイヤになったから逃げてきた。」
「エニシと一緒がいい。」
「エニシと住む。」
おう…。まさかの家出…。
私はそろりと家を振り返る。
…どう見ても狭いだろ。
「…ペットなんて持ち込むんじゃねぇぞ。」
「「ペットじゃない!!」」
「あんな狭い小屋にテメェらみてぇなデカい図体の奴が入るわけねぇだろ。」
…ご尤も。
二人は、言葉に詰まったらしく怯むように小さく唸った。
んで、そのあと、こっちをそろりと見やる。
「「…くぅん。」」
「ごめん、寝床を作るので精一杯になりそう。」
私にも限界はあるのよ。
「はぁ…だから契約しろっつってんだよ。そうすりゃ、チビ共は好きな時に好きな所へ行けるだろ。態々こんな狭い所に留まる必要はねぇ。」
「でも…契約ってどうするの?」
「何をしたらいいの?」
「お前ら親はどうした?」
「親って?」
「おうちにいた人間たちじゃないの?」
双子が首を傾げると、サソリさんは私の方を見た。