第12章 懐かしい顔と新しい顔
「あの時、あんた達、普通の虎と同じオレンジ色の毛並みだったよね?」
ついでにサイズも標準だったよね?
こんなにデカくなかったと思うんだけど。
「大きくなると白くなる!」
うそん…あれで小虎だったのか…。
「私たち、もう大人!」
それを聞いたサソリさんは、悪い顔で薄く笑う。
「ほう?白虎の幼獣は橙なのか。」
…まさか、捕まえに行く気ですか?
「…うそだろ、うん…。」
デイダラは呆然とミケとタマを見ている。
が、その顔がまたもや、怒りの形相に変わっていく。
「おい、テメェら!オイラに向かって変な奴って何だ!!」
それを聞いた二人はデイダラに冷めた目を向けた。
「お前、変。」
「良くない何かと合体してる。」
「おかしい奴。」
「変な奴。」
…なるほど?
こういうやり取りがあったのか。
ちらっとデイダラを見ると、ぐんぐんと怒りのボルテージが上がってってる。
嫌な予感…。
「おい、エニシ。そいつら渡せ。派手にアートにしてやる…!!」
うげっ!
言うや否や、手からぶわんと粘土が膨らんできた!
「待て待て待て…!分かった。私が悪かった。信じてなくてごめん。この子たちに言い聞かせるから3分待って。ね?」
私は、がしっと二人の首をホールドすると、デイダラから距離を取る。
「ミケ、タマ、よく聞いて?」
二人としっかり目を合わせると、神妙な顔を作る。
「あのね、デイダラは変な奴じゃないの。ちょっと変わってるけど、ちゃんと話せばちゃんと応えてくれるいい奴なんだよ。」
「でも変。」
「体が爆弾みたい。」
「口がいっぱい。」
「すごく変。」
「…まぁ、うん。…変だね。」
否定できねぇ…。
ドカアアアン!
「テメェ!さらっと馬鹿にしてんじゃねぇ!!」
「ひいぃ…!ごめん!つい!」
「何が『つい』だ!コラァ!」
「すみませんでしたぁ!!」
土流壁で防ぐので手一杯。
凄い威力だわ…。