第12章 懐かしい顔と新しい顔
「珍しいな、白虎じゃねぇか。」
サソリさんの言葉に、デイダラとイタチが驚いたように虎ちゃん達を見る。
それを見た私も目をパチクリしながら虎ちゃん達を見た。
「びゃっこ…?」
びゃっこって…白虎…?
あの伝説上の…?
「ただの虎じゃなくて…?」
確かに白いよ?
見事な毛並みのホワイトタイガーだけれども?
「おい、チビ共。」
「「ガウゥゥ!!」」
「馬鹿かテメェら。人の言葉を話せ。」
「「チビじゃない!!」」
「…うそ〜ん…。」
そんな馬鹿な…。
サソリさんと会話してるよ、この子たち…。
「喋る虎なんてこの世に居やしないんだよ。だいたいが、見りゃ分かんだろ。白い虎が何処にいるんだよ。虎は橙だろ。」
「か、カルチャーショックだわ…。」
なまじ前世を知ってるばっかりに、ホワイトタイガーなんて珍しいわぁ、くらいにしか思っていなかった。
「しかし…、何故エニシを知っているんだ…?」
イタチが小さく呟くと、虎ちゃん達は彼の方を向いて、くぅんと甘えた声を出した。
「イタチ!」
「私たち、覚えてる!」
「はぃ…?」
私だけじゃなくてイタチのことも知ってるの?
「お前達、もしかして…。」
んん!?
イタチはこの子たちを知ってるの!?
「まさかとは思うが、ミケとタマなのか?」
「「そう!!」」
「ぜんっぜんピンとこないんだけど…。」
もうギブです。
何でイタチの知り合い(?)が私を知ってんの?
で、この懐き様は何?
「ずっと前、エニシ遊んでくれた!」
「イタチと一緒におうちに来た!」
「人形出してくれた!」
「おもちゃ楽しかった!」
ミケとタマが代わる代わる私に訴える様子を見てて、段々と記憶が掘り起こされていく。
確かに、ずっと昔に迷子の虎ちゃん達を送り届けたことがある。
大名の御親戚の大御殿に、体育館ばりのでっかい檻があって、そこで飼われてた二匹が…
「あああぁぁぁ!!!タマとミケ!!」
思い出した!!
…いや、待てよ?