第12章 懐かしい顔と新しい顔
部屋に戻って道具一式を準備してると、表から何やらデイダラの声が響いてきた。
なんだろうと思って部屋から出ると、イタチも不思議に思ったのか顔を出した。
「なになに?何の騒ぎ?」
「さぁな。よく分からない。」
私達は揃って玄関へと近づいていくと…。
「…何してんの、あれ。」
「獣の分際でオイラに楯突いてんじゃねぇ!!」
「「ガウゥゥ!!」」
でっかい虎二匹と喧嘩していた。
ドカアアアン!!!
…また派手にやることやること。
普通、動物相手にここまでするか?
ドカアアアン!!!
「…一応止めた方がよくない?あれ。」
「…そうだな。」
私達はやれやれ、とため息をつきながら歩き出した。
「私、虎ちゃん達の方止めるから、デイダラ任せていい?」
「分かった。」
デイダラが叫びながら手を振り上げた瞬間、私達はそれぞれ瞬身の術で双方の間に入った。
「やめろ、デイダラ。」
「あ゛あ゛!?邪魔すんじゃねぇ!!」
「どうどう。…そうそう、いい子ね〜。」
イタチはデイダラの手をぱっと掴んで止めて、私は幻術で虎ちゃん達を宥める。
この子たち賢いみたいで、私の幻術を難なく破ってくるの。
それに対して重ね掛けを施してるから、破れてはまたかけてを繰り返しながら落ち着かせていく。
「離しやがれ!!」
「今は落ち着け。虎達も落ち着いてるだろ。」
イタチが掴んだ腕を振りほどき、またせっせと爆弾を作ろうとするデイダラにげんなりする。
「ねぇ、ちょっと落ち着きなよ。何をそんなかっかしてるのさ。」
「うるせぇ!!こいつらがオイラを馬鹿にしやがったんだ!下等生物の分際で!!」
「「ガウゥゥ!!」」
それに反論するように、虎ちゃん達がまた吠え始める。