第12章 懐かしい顔と新しい顔
…眠い。
まただわ…。
まさかの…まさかなのかな…。
ここ最近、寝た筈なのに寝不足っていう謎現象が頻発していた。
サソリさんに聞いてみても、
『さぁな、知らねぇよ。』
って答えが返ってくるばかり。
本当に何も知らないのかな?
何か知ってるんじゃないかな?
そう思っても、聞きだすすべもなし。
「寝不足か?」
イタチに声をかけられて、「うん」と返事をしながら振り返る。
二人は今朝、任務が終わって帰ってきたところだ。
「おかえり〜…。ここ最近、ちゃんと眠れないみたいでさ。」
私が目をこすりながら答えると、イタチは少し心配そうな顔になる。
「割と早めに寝付いてるのにな。」
「そうなんだよねぇ…。」
心当たりがあるとすれば別人格の件だけど。
出来れば当たってほしくないし、イタチにも可能性段階だとしても知られたくない。
「まぁ、毎日じゃないから今日は大丈夫だと思うよ。」
「そうか…。辛かったらちゃんと言えよ?」
「うん、ありがと。何かあったら、また言うよ。」
「あぁ。」
イタチは優しく微笑む。
心配されるのって、ちょっぴり後ろめたいけどお得感がある。
むず痒いけど嬉しい、みたいな。
やっぱり、一緒にいられるって幸せなことだよね。
イタチもサスケも、早く気づくといいな。