第12章 懐かしい顔と新しい顔
もう隠れることもせず、取り敢えず真っ直ぐ、ひたすら真っ直ぐに走り抜ける。
途中で湧いて出る大蛇丸の子分共は、すり抜けるか一発ノックアウトで沈めていった。
「待ちやがれ!!」
おっと。
もう追いつかれちまったぜ。
「あら、隠れんぼはもうお終い?」
突然湧いて出た大蛇丸に思わず嫌〜な顔をしてしまった。
このクソ忙しい時に…。
こうなったら、一か八かの蜃気楼の術!!
「…ちっ…!」
よっしゃっ!勝った!
奴の蛇術は見事にハズレ。
その真上をまんまと走り抜ける。
「お邪魔しましたあぁ〜!!」
と、その時、前方に土流壁が迫り上がり、道を塞がれてしまった。
ちらっと見えた髪色からして、多分カブトだ。
ここは〜…。
「必殺!!飛び蹴り!!」
ドカンっ!!!
うっはぁ〜!
き〜もち〜!
綱手様ばんざ〜い!!
二枚仕込みの土流壁を難なく蹴破ると、唖然としゃがんだままこちらを見上げるカブトがちらっと目に入る。
それに目もくれずに更に走り抜けると、やっとこさ外が見えてきた。
「ゴール!!」
いやっほ〜い!!
入り口から距離のある木の上に駆け上がり、安全を確保した上で振り返ると、入り口にサスケが出て来たところだった。
私は思いっきり息を吸う。
「サスケ〜!!いつかあんたの価値観ひっくり返してやるからねえぇぇぇ!!」
大声で叫んだら返事の代わりにクナイが二本飛んできて、急いで隣の木へと飛び移った。
私はそのまま全速力でその場を離れる。
始終、笑った顔は見れなかったけど…まあ、元気な姿を見られたことは良かったのかな。
そう思っとこう。