第12章 懐かしい顔と新しい顔
「のこのこと…!俺を笑いでも来たのか!?ああ!?イタチの代わりに偵察にでも来たのか!!」
言いながら、サスケの左手には眩しい光が凝縮され、けたたましく鳥の鳴き声が鳴り響く。
本気で殺しに来るつもりなんだ。
「ぶっ潰してやる…!何もかも…!」
ダダッとサスケが真っ直ぐに突っ込んで来た。
掠りでもしたら致命的なのは、誰が見ても一目瞭然。
そして、私の得意は土遁。
相性が悪い。
でも、やらなきゃ殺られる。
となれば、影分身で手数を増やすしかない。
「無駄だあァァァ!!」
振りかぶられた千鳥を私達は次々と避けていく。
「…っ!効かない…!?」
「残念ながら、私に幻術は効かないよ。」
フェイントを織り交ぜたかったんだろうけど、いかせん、私は月詠でさえも簡単に抜け出せるほど耐性が強い。
ふと、一瞬隙が生まれた。
チャンス!!
「がっ…!」
影分身が死角から背後を取り左腕と手を押さえ、本体で正面から右腕を捻り、完全にブロック。
足掛けでバランスを崩させて、千鳥を床に沈めた。
めり込んだ左腕には、未だバチバチと雷の火花が飛び散っている。
「くそがっ…!」
ふうぅ〜…なんとかなった…。
これで暫くは動けないっしょ。
「じゃ、またね!」
ここは逃げるに限る!!