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もう一度、を叶えるために。second

第12章 懐かしい顔と新しい顔




五感と写輪眼を頼りに、より入り口に近い道を選んでいくと、大きな扉の前まで辿り着いた。
明らかに他とは違う。
抜け道になってないかな?

「失礼しま〜す…。」

入ってみると、がらんとした縦にも横にも広い空間になっていた。
壁には武器や鎖が掛かっている。

「武道場みたい…。」

真っ暗だから詳細なことは見えないけど、かなり使い込まれてる感じがする。
武器も、床も、壁も…、全部傷だらけ。
それを肌で感じちゃうと、途端に焦燥感が湧き上がった。

「ここで訓練してるのかな…。」

イタチもだけど、サスケもなんだなぁ…。

修羅の道。

出来ることなら、もっと日向で育ってほしかったなぁ。

「…っ!!」

ガギン!

突然の殺気に、反射的に避けた顔のすれすれをクナイが走り抜けて床に刺さる。
次いで、二射目、三射目と急所を狙ったクナイが飛んで来て、それらを体術だけで躱す。
体勢を低くしながら辺りを見回すが、辺りには人影はない。
誰だ?

「何故、お前がここにいる?」

声変わりを迎えたばかりの低めの声が降ってきて、ドキン、と心臓が跳ねた。
同時に、ざわざわっと背筋が寒くなる。


ガン!!!


瞬時にその場から飛び退くと、間髪入れずに刀が私が立っていた場所にめり込んだ。

その柄を握っているのは…

「サスケ…。」

ミコトさんによく似た声は、前世に聞き慣れた声に近づきつつある。
背も私より少し高くて、顔立ちも幼さはあまり残っていない。
こちらを見る目には、昔の優しさは消え失せて憎しみが込められていた。

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