• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第12章 懐かしい顔と新しい顔



「…痛いわね。何するのよ。」

「「それはこっちのセリフだ!!」」

思わず出たセリフが影分身とハモった。
さすが、私。そっくり。

天井を改めて見上げると、隅から隅へと這いずっている蛇の胴体があり、先端には言わずもがな大蛇丸。
顔を押さえてたから、銀トレイがヒットしたんだろうな。

「どっから出て来たんすかっ!!」

入ってくる所なかったじゃん!

「何してんすかっ!普通に出て来てくださいよ!」

これは影分身のセリフね。

「…あなたに普通を求められるとは思わなかったわ。」

不服そうだね。
こっちが不服だよ!

「態々お化けみたいな出方するからだと思いますが!?そして、私が普通じゃないみたいな言い方しないでくれます!?」

怖いんだよ!!
この人、絶対感性が普通じゃない!!

「あら、行儀悪く人の家で勝手に漁ってて文句言える立場だと思ってるの?」

「あー…それ言われちゃうとね…。」

私も非常識だったわ、確かに。

「…お痛が過ぎるわね。ここを見つけちゃうなんて。」

視線を追うと、私が持ってた記録書だった。

「もう見つけちゃったの?」

「まぁ、ヒントだけですけどね。場所は滝隠れとの境、雨隠れの近くってところですかね。」

態と言ってみたら、大蛇丸はニタっと笑う。
大当たり〜ってか?

「馬鹿なのか利口なのか分からない子ね。」

「馬鹿にし過ぎると痛い目見るんじゃないですかねぇ。」

密かにぐっと構えると、それだけで意図がバレたらしい。
出入り口を長い胴体で塞がれてしまった。

「逃がさないわよ。」

「意地でも逃げます。」

「諦めの悪い子ね。」

私は瞬時に発煙弾を撒いて、豪火球を一発放った。
煙にも多少火が移ったから、これで温度探知は使えない筈。
同時に、影分身がドアから離れた壁側に風穴開ける。
硬かったらどうしよう、って心配は一瞬だけだった。
人一人分の大穴は簡単に開き、私達はそれぞれ反対方向に駆け出した。

/ 802ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp