第12章 懐かしい顔と新しい顔
けど、言い聞かせないとへそ曲げそう。
私はゴンの頸を撫でる。
「ゴンちゃん、あのね。私達人間はね、怖くても危なくても、時にはそこに行って、何があるのかとか、そこにいる奴らが何をしようとしているのかを確かめなきゃいけないんだよ。」
って言っても、私の目的はそれとは別にあるんだけど。
『でも…。』
まだ心配そう。
ま、そりゃそうだよね。
「大丈夫だって。まだ見てくるだけ。無茶はしないからさ。」
『うん…。』
しょぼんとしてしまった頭を撫でる。
「教えてくれてありがと。」
さてと。
どうするか。
イタチの健診もしなきゃだしな。
それに、夕方だからご飯の支度もしなきゃ。
武器の確認もしたいし。
「明日にするか。」
お休みだし、二人も任務だろうしね。
丁度いいかも。
「そうと決まれば、ちゃちゃっとやっちゃいますか。」
『…気をつけてね。』
「うん、ゴンちゃんも気をつけてね。そこにはあまり近寄らない方がいいよ。」
『うん…。』
私は手を振って家の中へと入っていった。