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もう一度、を叶えるために。second

第12章 懐かしい顔と新しい顔



「イタチとも仲良くしてほしいんだけどな…。」

そう言うと、ゴンはこちらをちらっと見る。

『ちょっと怖い。』

お、「怖い」から「ちょっと怖い」にランクアップしたぞ。

「ふふっ。優しい人なんだよ〜。今度話してみてよ。」

言ってみたら、無言が返ってきた。
イヤとは言わないから、興味はあるのかもしれない。

「今日は楽しいことあった?」

ゴンは色々な事を知らせてくれる。
向こうで崖崩れがあっただとか、この木の実が美味しいだとか、小さなことから大きなことまで。
強ち、野生動物だからと馬鹿に出来ない情報よ。

『怖いもの見たよ。』

「怖いもの?」

何だろ?熊か何か?

『大きな蛇とたくさんの蛇。』

大きな、蛇…?

『それに、不思議な罠ががあったよ。』

「不思議な?」

『うん、その罠の中に入ると蛇が見えて、外に出ると見えなくなる。』

「結界だ。」

大きな蛇と結界。
とくりゃあ…

「大蛇丸。」

あの人しか有り得ない。

「ねぇ、ゴンちゃん。それ見たの何処ら辺?」

聞いたら、ゴンは食べるのをやめて後ろの方を振り返る。

『向こう側の森の中だよ。』

森の中か…。
火の国の範囲内かな?
ゴンはこちらを見上げる。

『どうして?』

「行ってみようと思って。」

そう返したらぎょっとした顔をする。

『ダメ!近づかないで!』

「平気だよ。こう見えて私強いんだから。」

『大きな蛇の他にも怖いのがいるよ!』

大蛇丸のことかな?

「そいつの姿見た?」

『見てない。けど、きっといる!』

気配を感じるってことなのかな。
心配するように、くんくんと小さく鳴くゴンは前足を私の足にとん、とんと擦る。
可愛いい。

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