第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
本体の私達はと言うと。
ナルトの部屋が見える屋根の上に待機中。
「お、先生ご到着〜。予想通りだね。」
絶対、ベランダ側から入ると思った。
「何故、窓からなんだ…。」
「ね、何でだろうね。」
お約束と言えばお約束だけど。
そんなことより、面白いのはここからよ!
何の疑いもなく、バリっと箱を開けたナルト。
や〜い!引っかかった〜!
一瞬動きが止まってからまた動き出した。
箱の中身を次々と取り出すと、白菜を手に取って新聞紙を開ける。
「ふはっ。めっちゃキラキラしてる…!」
おめめキラキラ。
野菜を見る目じゃないよね(笑)
何か言ってるけど何言ってるかまでは読み取れない。
「ねね、イタチ読唇術出来る?」
「あぁ。」
「ナルト何言ってるか分かる?」
双眼鏡を渡しながら聞くと、早速読み始めてくれた。
「『これ、すげぇってばよ。こんなおっきな筍見たことないってばよ。』」
「ぶはっ…!」
ふ、不意打ち!
しかも棒読み!
「『先生。今日、俺これ食べたいってばよ。なぁなぁ、作ってくれよ。』」
「うひひひ…!ぶくくくっ…!」
野菜食べたいって!
あのナルトが野菜食べたいって!
「『いつも料理なんてしないから、どうやって食ったらいいのかさっぱりだってばよ。だから先生が作ってくれよ。』」
「いひひひ…!おっかし…!!」
声出して笑いたい!
大声で笑い転げたい!
「…大好物を前にしたみたいな顔してるぞ。」
「あはははっ!待って!やめて!腹捩れる!」
あまりの可笑しさに、遂にひっくり返って屋根をバンバン叩いてしまう。
んで、その瞬間。