第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
「ボク、住所書けるの?凄いじゃない。どれどれ…。カカシさんに届ければいいのね?」
イタチは微妙な顔でこくりと頷く。
それを見て不謹慎にも笑いが込み上げた。
いや、めっちゃ戸惑ってんだなって感じだったもんでさ。
その瞬間、じとっと睨まれて瞬時に視線を逸らした。
ごめんて。
「全部で四箱ね。お代は二百両です。」
ポケットからぴったりの金額を差し出した。
「はい、丁度ですね。お預かりします。」
「よろしくおねがいしますっ!」
「元気な子ねぇ。かわいいっ。」
なでなで。
…にひひ。
「じゃあね、ばいばいっ!」
ここは元気いっぱい手を振っとこう。
「また来てね〜。」
店員さん達は最後まで疑いなく笑顔を向けていた。
四人でお店を出て一息。
「ふぅ…、いい仕事したぜ。」
腰に手を当てて額を拭う。
汗はかいてないけど気分よ、気分。
「…どっと疲れた…。」
影分身と揃ってどんよりと肩を落とすイタチに苦笑する。
まぁ、こんな茶番、初めてだろうしね。
私?
日常茶飯事でしたよ、えぇ。
綱手様のせいでな。