第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
塀にかかってる結界は、幻術による錯覚の応用で感知されなくなるのだとか。錯覚の中でも苦手な部類の幻系よりらしいけど。
んで、塀の上の見張りは幻術で機能停止。
その隙に難なく侵入成功。
「さっすが〜。」
私じゃ、こうはいかないな。
「堂々と正面から入ろうとは普通思わないからな。」
「さーせん…。」
ちっくり刺されました。
「んじゃ、こっからは変化の術でいってみよう!」
「…何だと?」
「まぁ、折角だからさ。イタチも変化の術で街歩こうよ。」
「お前なぁ…」
「まぁまぁ。とりあえずはさ、小さい頃に化けてみようよ。」
お小言が始まる前にブロックだ。
ぼふん、と一瞬煙に包まれてから小さい頃をイメージした子供に変化。
それを見たイタチも渋々変化。
「うっはは〜い!懐かし〜。」
そうそう、イタチってこんな感じだった。
目元のほうれい線が無いのが変な感じだけど。
んじゃ、こっから微調整。
「まずは、目を細目にして二重から一重に。口はもうちょい小さめに。髪は短髪でいこう。」
「なら、お前は髪を下ろして目を小さめに。口元はもう少し大きく。」
「分かった。」
もっぺんどろん!
「お、別人になった。」
「まぁ、いいだろう。」
影分身達は本体の顔印象を男女逆転で、髪はイタチはショートカット、私はミディアムボムで合わせた。
服装は全員、違和感のないありきたりをチョイス。
「よしっ。万屋(よろずや)にレッツゴー!」
私達は森を通るルートで街を目指した。