第4章 久方ぶりの里帰り2
「いった〜いっ!!」
使った瞬間、一瞬目に激痛が走る。
よく、こんなの使ってられるよね。
オーバーワークじゃないの、これ。
ぱちぱちと目を瞬かせながら目の前を見ると、幻術は解けていて、よろよろと後退りながら頭を抱えたイタチが映る。
生理的に浮かんだ涙を拭って逃すと、イタチが手で片目を覆いながら徐に私を見る。
すっごく変なモノを見るような目に見えるんだけど、気のせいじゃないよね?ちょっと失礼しちゃうわ。
「お前…。」
何?って返そうと思ったら、ずずずっと、壁という壁があっという間に肉壁に包まれた。
「忍法、蝦蟇口縛り!!」
「「え!?」」
ナルトと私の声が重なる。
「残念だのぉ、イタチ、鬼鮫…。お前らはもう、ワシの腹の中だ。」
足元を見ると、生き物みたいに肉に触れている足がにゅろにゅろんと飲み込まれそうになっている。
…普通に気持ち悪い。
「妙木山、岩宿の大蝦蟇の食道を口寄せした。お前らはどーせお尋ね者だ。このまま岩蝦蟇の餌にしてやるからのぉ。」
おおがま…、しょくどう…。
カエルのえさ…?
…さっき、蝦蟇蛙って言ったよね?
「まじか…。」
うげぇ。
話には聞いてたけど、こんなデカい蛙がいていいのでしょうか?
「な、何だってばよ、これ?」
「ナルト、お前はじっとしとれ!心配いらん、ワシの術だ!」
「鬼鮫!来い!」
「チィ!」
イタチと鬼鮫が一目散に逃げ出した。
ですよねー。
私もブチブチっと足を引いて肉を剥がす。
気持ち悪い感覚に身震いしながらも走り出した。
「これまでここから抜け出せた奴はおらんのぉ。」
後ろから声がすると同時に肉壁が迫ってきた。
イヤすぎる〜!!
必死で走っていると、左足がむぎゅむぎゅっと掴まれた。
「ヘブっ!」
私はそのままビタンっと地面に叩きつけられる。
「やばっ…!」
顔を上げると、黒い炎で風穴開けて出て行く二人の後ろ姿が見えた。