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もう一度、を叶えるために。second

第11章 そうだ、野菜を贈ろう!



「明日にしろ。」

え、何で?
小首を傾げたら、ぷにっと両頬を抓られた。

「何でこの時間なんだ。明日でもいいだろう。」

「ひや、いはいっはほうはいいはら…」
「何言ってるのか全然分からないですね。」

このやろー。
私はイタチの手を引っ掴んで片方を外した。

「今行けば明日の朝には里に着くよ。どうせだったらより新鮮な物を食べてほしいし。」

「…明朝に出たって間に合うだろ?」

うーん…。

「なんだか…、まるで私が危なくて心配だって聞こえるんだけど…?」

忍ほど”心配”の文字が似合わない人種っていないよね。
それともこの後何かあるの?

「…心配したっていいだろ。」

ムッとした顔。
すごく珍しい…。


………。


…っ!!!

ちょっと待て…!!

なんか、なんだか…!!

恥ずかしい…!

ぼふんっと音がして影分身をが消えて、どさどさっと荷物が落ちる。

「…はあぁぁ〜。日に日にあからさまになっていきますねぇ。」

「…何の話だ?」

「いいえ、何でも。」

「…鬼鮫さん、イタチは昔から天然っ子なんです。」

「あなたもある意味では天然モノですがね。」

「…それ、どういう意味っすか…?」

馬鹿って言いたいのか、この!

「あなたの思う通りですよ。」

「馬鹿じゃないです!」

「どう見ても馬鹿じゃないですか。」

「きいぃぃ〜!意地悪っ!」

意地悪ザメ!
あんぽんたん!

心の中で悪態をついてると、前から小さなため息が聞こえる。

「明日、俺も付き合ってやるから。」

え!?

「それなら納得するか?」

う、うん…。
ぎこちなく頷くと、困ったように笑う。

「明朝でいいな?」

「う、うん…。」

う、嬉しいは、嬉しいんだけど…。
サスケとかの様子を見に行くつもりなんだよね…。
イタチだってそれは承知だろうし。
今までサスケに会おうとしなかったのには訳があるんじゃ…。

「良かったですね。」

素っ気ない鬼鮫さんの言葉に、はて…と首を傾げる。

「良かった…のか…?」

「明日、早いんだから。もう支度するぞ。」

「うん…。」

まぁ、様子をみるか…。

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