第11章 そうだ、野菜を贈ろう!
「…『残さず食べてね』、と。出来た!」
我ながら良い出来。
「そんなどうでもいい事に、まあ…。」
「心の籠ったメッセージですよ、ほら。上出来でしょ?」
ずずいと見せると、しっしっと遇らわれる。
「手紙は簡潔に。意図が伝わればそれでいいんです。」
「案外と無駄に思えることでも気持ちって伝わりますよ?」
「あなたとは永遠に気が合わないでしょうね。」
「そうかな?いつかは『分かる〜』って日が来るかもしれませんよ?」
「やれやれ…。」
ちぇっ。そんな呆れなくてもいいじゃんか。
ま、いいや。
「よしっと。白菜にキャベツに大根と筍。先生にはふきのとうのおまけと三つ葉でしょ。子供達にはアスパラガス。オッケー。んで、これがサスケの分で、これが先生の分、こっちがナルトの分、っと。」
おっと、忘れ物。
「にひひひ…。」
とっておきの術よ。
「不気味な笑い方ですね。」
気にしな〜い♪
これを上に敷いて…と。
よし、封印だ!
「…何してるんだ?」
「方陣を描いてるのさ。おしっ完成〜!」
お次は、先生へのビデオレターだ。
「おや、あの時の…。」
あの時の?
「…ああ〜!もしかして、あれ潰したの鬼鮫さんなんですか!?」
試作品1号は粉々にされたの!
「あんな不気味な物が浮いてたら誰だって潰しますよ。」
「ひどいな〜。折角の力作だったのに。」
「見た目を改良したら如何です?」
「ふんだ。」
意地悪め。
いや、そんなことよりこっちだ。
ボールと繋げて…と。
「光ったな。」
「赤色はやめた方がいいと思いますよ?」
言いたい放題だね…。
ま、ともかく。メッセージ、メッセージ、と。
「出来た。これを先生の箱に入れて、紐で結んで準備OK!」
影分身を出して、と。
荷物を持った私達を見て、イタチと鬼鮫さんは呆れ顔を浮かべる。
「…今から行くつもりですか?」
「はい、ちょっくら行ってきやす。」
ぴっと敬礼したら、がしっと腕を掴まれた。
イタチだ。