第10章 ルーツを探しに出かけましょ
ナルトのアパートに着くと、彼はドアの前ではなく迷いなくベランダへと向かう。
「ナルト〜、居るか〜?」
ガラガラガラ、と窓を開けると、カップ麺を啜っていたナルトが目を丸くした。
「あぁ〜!!カカシ先生ってば、何でそこから入ってくるんだってばよ!!」
「ガラ空きだから入りやすくてな。それよりも、またそんなもん食って…。野菜を食べなさいって言ってるでしょうが。」
「野菜なんていらねぇってばよ!ノーセンキュー!」
胸の前で大きくバツ印を作って見せるナルトにカカシはため息をついた。
「お前は…。あぁそうそう、これエニシからの贈り物ね。」
「エニシから!?こんなにか!あいつってば何送ってきたんだ!?」
途端に嬉しそうな顔になると、ナルトはカカシが床に置いた箱に駆け寄った。
「ま、とにかく開けてみなよ。」
素知らぬ顔でナルトに声をかけると、彼は何の警戒もせずにバリッとダンボールを開けてしまう。
すると…。
「…っ!?何だ!?」
そこには、写輪眼が描かれた紙が敷かれてあった。
赤く大きな三つ巴がゆらりと揺れた瞬間、ナルトの動きが止まる。
カカシが恐る恐る肩に手を置くと、彼は再び動き出した。
「ナ、ナルト…?」
がさごそと箱から次々と新聞紙に包まれた野菜を取り出していくと、そのうちの一つの包みを開く。
すると、彼の目がきらきらと輝き出した。
「うわぁ〜!見てくれってばよ!でっかい白菜だな〜!」
「…どうした?」
普段から野菜が嫌いで手に取るのも嫌がるのにどういう風の吹き回しか。
あまりにも不自然だ。