第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「お〜、エニシからか!なになに…おぉ!酒じゃないか!」
「私は…何かしら?まぁ、はちみつ砂糖だわ!」
「あれ…?私にもあるんですか!?」
丁度、サクラも交えて綱手と会う予定だったことで、三人共一同に渡すことができた。
「で、エニシはどんな様子だった?」
綱手は酒瓶に頬擦りしながら尋ねる。
「元気な様子でしたよ。相変わらずです。」
「お前が相変わらずと言うなら、あいつは昔からああなのか。」
綱手が言うと、シズネはくすくすと笑う。
「お陰で楽しかったですよ。」
「まぁな、退屈はせんかったが。」
「エニシさんと何話たんですか?」
サクラがキラキラとした目で問いかけると、カカシは少し苦笑しながら掻い摘んでエニシとの話を聞かせた。
「ー…〜…。ま、というわけなんだよ。」
聞き終えたサクラは顔を引き攣らせた。
「エニシさんって…。」
「あっはっはっは!」
「笑い事じゃないですから、綱手様…。」
「いやしかし、報告書だけでは分からない事ばかりだな。あのイタチが手玉に取られてるとは…くくっ。」
「この前報告を聞いた時は肝が冷えましたよ。あの子は、もう…。」
「鬼鮫って人がそんなにフレンドリーな人だなんて、想像つきません。」
三者三様の反応に、カカシは楽しそうに笑う。
「どんなに気難しい奴でも、大体の人と仲良くなれるのがエニシの長所なんだよ。」
「分かります!何でか絆されちゃうんですよね〜。不思議な子ですよ。」
カカシはシズネに相槌を打つ。
「だな。俺もそれで絆された口だし。」
「おやおや〜?なんだ、お前エニシみたいな奴が好みなのか?」
綱手の揶揄いの言葉に、サクラの目が輝いた。