第4章 久方ぶりの里帰り2
「…何のつもりだ?」
「何のって…。やり過ぎだから邪魔立てしようかと。」
ありのまま答えたら凄い殺気を飛ばされた。
背筋が凍るくらいに怖いんだけど。
昔の面影ゼロなのが恐ろしいわ…。
「殺されたいのか?」
「そう簡単に殺されるつもりはないよ?」
内心びくつきながらも平静を装って答えて、サスケを隠す様に床に降りた。
私と歳が殆ど違わないのに凄い貫禄。
「そうか…。ならばお前がサスケの代わりになるか?」
問いかけた割に返事を待たない感じ。
イタチはそのまま一度目を閉じて再度開くと歩き出した。
その目には万華鏡写輪眼が浮かんでいる。
月詠、くるか…?
私もすっと目を伏せて万華鏡に切り替えた。
「…何をするつもりか知らないけど、簡単にはくたばらないよ。」
私は軽く構えて、臨戦体制を取った。
その瞬間、
ヒュン!
目にも留まらぬ速さでクナイが飛んでくる。
ガキン!と音を響かせて、私はクナイを叩き落とした。
勿論、自分のクナイで。
内心、冷や汗とドキドキが止まらない。
精度が昔に比べて段違いに上がってる気がする。
イタチは更に上段蹴りを繰り出してきた。
顔のすぐ横に足が迫り、私は咄嗟に腕で防ぐ。
チャクラで強化してあるから傷はつかないけど、衝撃は凄い。
踏ん張り方を間違えてたら蹴り飛ばされてたかも。
間をおかずに拳が鳩尾目掛けて飛んできた。
…まずいな。後ろにはサスケがいる。
下手すれば踏むかも。
ま、そん時はしゃーない。
二人で仲良くくたばるよりかはマシよね。
こけたらそのままイタチを蹴飛ばそう。
うん、そうしよう。
パシッと音を響かせて受け止めたんだけど、思った程の攻撃力ではなかった。
あれ、どういうこと?
私は怪訝に思ってイタチを見ると、
「……!?」
そのまま違う世界に引き摺り込まれた。
「あの日の絶望を味わえ。」
イタチの声と共に、崖っぷちに立つ兄ちゃんと後ろ姿のイタチが現れた。