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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ



斬り結ぶ度に金属音とも打撃音とも取れる重い音が響く。
だが、チャクラを削られるわけでもなく、打撃は無効でもない。

「毒には毒を以って制す、か。」

特殊な忍刀には特殊な妖刀が有効だった、という訳だ。

ーこりゃ、ジリ貧になるわけだ。

けれども、白の剣技だけでは鬼鮫には敵わない。
体力やチャクラ保有量など、元々の力の差があるからだ。

イタチはなんだかんだとエニシが抑えている。
ならばやる事は白の援護である。
カカシは、そっと鬼鮫の死角に回ると印を組む。

「火遁、豪火球の術!」

剣技を続けながらも鬼鮫は避け、白はその隙を狙う。
その間も、鬼鮫の視線がちらちらとこちらに向く。

―今だ!

カカシは写輪眼で幻術の類である錯覚を試みる。
距離感を狂わす寸法だ。

「くっ…。実に厄介な目をお持ちで。」

効果はある。
幻術を解く動作と剣術とを同時にやろうとすれば、少なからず動きは鈍る。
鬼鮫も例外ではなかった。

鉄壁を崩す糸口が見えたと思ったその時、

「うわっ…!」

ズシャー、と結構な音を立ててエニシが吹っ飛んで来た。

「痛たたた…、はっ…!」

転がっていたエニシが慌てた様子でがばっと身を起こすと、ほぼ同時に白に向かってクナイが数本飛んでくる。
それに合わせて彼女が影分身を出すと、複雑に軌道を変えるクナイを全て叩き落とした。

「相変わらずクナイが上手でいらっしゃる…。」

「シスイから教わらなかったのか?」

「兄ちゃんから教わったことはあるけど、あの緻密なコントロールは未だに真似できないのよね。」

突然の和やかな空気に、その場にいた全員の動きが止まる。

「出来ないんじゃなく、練習してないんじゃないのか?」

「ぎくっ…。」

「…何事も練習ありきだぞ?」

「分かっとりますがな…。」

「やれば出来る奴なのにな。気分にムラがあるのがお前の欠点だな。」

「ぐぅ、兄ちゃんみたいな事を…。」

「ふっ。そう言えばよく言われてたな。」

「知ってて言うんだもんな〜、もう〜。」

頬を膨らますエニシと昔の様に微笑むイタチ。

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