第10章 ルーツを探しに出かけましょ
そんな彼女を見て、鬼鮫は呆れた眼差しを向ける。
「これで分かったでしょう?」
「…えーと…。何をでしょう?」
「我々の仕事を邪魔した事ですよ。」
「あぁ、それについては『いい仕事したな〜』と思ってます♪」
「…は?」
「お邪魔虫成功〜ってね♪」
悪びれもなく満面の笑みで親指を立てるエニシと明らかに青筋を浮かせてる鬼鮫。
怖いもの知らずにも程がある、とカカシは内心冷や汗を流す。
「あなたには一度きっちりお灸を据える必要がある様ですねぇ。」
「ひっ…!?」
「「遅いわ。」」
堪らず、メイ、カカシが突っ込む。
「よくもまぁ…。図太いと言ったらいいのか…。」
「昔から破天荒で通ってましたからね。」
「良いところではあるのですが…。」
メイ、カカシ、白が疲れた様に肩を落とす。
「まったく…。余計な仕事を増やしてくれたものですよ。」
「…悪いがその妖刀、奪わせてもらう。」
鬼鮫が構えたのを見て、イタチも構える。
その様に、メイ達に緊張が走った。
「そう簡単にはやらせないよ?」
「私達を舐めてもらっては困るわ。」
カカシとメイが矢面に立つと、くいくいっと後ろから袖を引っ張られた。
「先生、選手交代で。」
カカシは言われた意味が分からず、愕然と振り返る。
「…何?」
「先生はイタチと相性悪いですって。私が請け負うんで、代わりに鬼鮫さんのお相手お願いします。」
エニシの言葉に、ぎょっとする。
「待て待て待て…!お前はイタチと殺し合いをするつもりなのか…!?」
「いいや。妖刀を奪うってんだからお邪魔虫するだけです。」
エニシはそう言って、あっけらかんと笑う。