第4章 久方ぶりの里帰り2
イタチと鬼鮫は来た道を戻り、塀の外へと撤退する。
そのまま、ナルトを追うべく走り出した。
だが、それに付随する様に、一つの気配がぴたりと随行しているのに気付く。
イタチは隣の鬼鮫をちらりと見た。
「…気づいているか?」
「えぇ、つけられてますね。」
二人は、その正体を確かめるべく、気配と向き合う様に一度止まった。
すると、その気配もぴたりと止まる。
「…攻撃してきませんね。」
「あぁ…。」
「どうします?」
「行けるか?」
イタチが尋ねると、鬼鮫は影分身を出した。
現時点では、イタチより鬼鮫の方がチャクラの残量に余裕がある。
お互い、それを見極めての判断だ。
「まずは小手調といきましょうか。先程は消化不良でしたからね。」
言うが早いか、ニヤリと笑った影分身が駆け出した。
すると、気配も慌てた様に逃げ出してしまう。
「口ほどにも無い奴の様で。どうします?」
鼻で笑いながら鬼鮫が尋ねると、イタチはくるりと背を向けた。
「撒くぞ。スピードを上げながら気配を抑えれば追っては来れなくなるだろう。」
「そうですね。それまでは私の影分身が相手をするでしょう。」
二人はそう言うと、先程よりも更にペースを上げて走り去って行った。