第4章 久方ぶりの里帰り2
「お前…。」
俯いてるから、カカシさんがどんな顔してるか分からない。
けど、言葉が続かないところをみると、呆れてるかな。
「私はその理由のために今生きてるの。その目的が果たせないんなら、私にはもう生きる理由がない。」
死んだ様に日々を過ごすのなんて真っ平だ。
願いが叶わないんなら、自死を選ぶ。
全てを忘れて、捨てて生きていけたらどんなに楽だろうって思った事もあったけど、私には出来なかった。
「…それは、復讐か?」
「違う。…多分、その反対に当たると思う。」
イタチはダンゾウに、里に命じられて已む無く罪を背負った。
だから、イタチを治す事が里に仇なす事にはならないと思う。
イタチが里に牙を剥くなんて、まず考えられないし。
私は縋る思いでカカシさんを見上げた。
「お願いです、カカシさん。私を仲間だと言ってくれるなら、何も聞かずに見逃してくれませんか?」
逃げる算段としては、お粗末すぎると思う。
何の捻りもなく、ただ縋るなんて。
でも私には、この人から逃れる術を他に思い付けない。