第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「私が七歳の時に死にました。概ね、雪一族と変わらない理由でね。」
「白の一族と同じ…?」
「おや、あなたは知っているものとばかり。」
「いやいや、買い被りすぎですって。雪一族は氷遁一族だくらいの認識しか持っていませんよ。白の過去なんて何にも知らないです。」
前世チートだからって何でもかんでも知ってるわけじゃないよ。
それを聞いて、鬼鮫さんは「ふむ」と相槌を打ち、淡々とした様子で口を開いた。
「霧隠れを脅かす存在である、というのが理由であると聞いていますよ。」
「…ナニソレ。」
どこもかしこも…!
お偉方なんて身勝手なものだよね、まったく!!
「そういえばあなたの一族も似たようなものでしたねぇ。」
「全くもって腹立たしい限りですがね。首謀者はクソ溜に埋まって死ねばいいのにって思いますよ。」
そう答えたら、鬼鮫さんは面白そうにくつくつと笑う。
「あなたらしい答えですねぇ。」
「それはどうも。」
くそ忌々しい!
後にサスケが五影をぶっ潰そうと思った気持ちがよくわかるってもんよ。
綱手様はダメだけど。
木の葉の場合、影が問題なんじゃなくて、影さえも動かせる地位にいる奴が癌なんだよね。
「そういえば…。私、ミアの持ち物を少しだけ持ってたわ。持ってくるわね。」
女の人が一人駆け出すと、「私も何かあったかも」と抜け出す人が、一人二人と現れた。
「…っていうか。鬼鮫さんのご先祖様ってミアさんで確定…なんですか?」
でなきゃ、他人の持ち物を見るようなもんなんじゃ…?
「多分そうだと思うわ。ミアのオーラってちょっと独特だったのよ。紫が多いところや揺れ方が彼には出ているわ。同じエルフではあまり見かけない特色よ。」
オーラって色があるんだ。
写輪眼じゃあ、そこまでは見えないよね。