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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ




ライアさんによると、ここには極稀に迷い込んでくる人がいるんだそう。
霧を抜けて、あの不思議な結界を抜けた先のここまで。


「我らはそれを防ぐために、君たちの時と同じ手法で攻撃をするか、幻で惑わして領域の外まで戻すかの手法を取っている。」

「殆どの場合が、人間は歓待されない。」

ライアさんの周りにいる人達が、代わる代わる丁寧に説明をしてくれている。

「人間は皆が皆、血を好むというわけではないことは分かっている。ただ、そういった者の見分けは難しいんだ。例えば、君。」

指された指先を追って、その場にいた人が一斉に私を見るものだから、思わず私も自分を指差した。

「…私?」

「そう。一見すると君のオーラは概ね綺麗だ。とても善良に見える。しかし、戦闘になるとどうだ?君は敵と定めた者に寛容でいられるか?」

寛容でって…どのくらいなんだろう?
でも、情けは要らないよねってくらいには徹底的に出来るとは思う。

「…少なくても、身の安全を確保するくらいには攻撃するかも…?」

ちょっと控えめに言ってみた。

「そうだろうな。無邪気に見えて残酷である、なんて者はそれこそ何人もいた。」

…あぶねー。
色々ぶっちゃけなくてよかったー…。

鬼鮫さんをちらりと見たら呆れ目を向けられた。

「故に我らは”人間”と一括りにして警戒することが殆どだ。その牙がいつ我々に剥くとも限らない、とな。これが、線引きをする理由だ。」

「なるほどねー…。」

そして、私を例えに出したあたり、鬼鮫さんのオーラとやらはあまりよろしくない、といったところかな。

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