第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「何ですか、その顔は。」
「いたたたたた…!すみませんでした…!」
頬が取れる!!
地味に痛いつねり方!!
「い゛だっ!」
ふん、と鼻で笑い、ぴんっと引っぱりなが手を離されたもんだから痛いのなんの。
そこまで変な顔した覚えはないんだけどなぁ…。
「も〜意地悪なんだから…。」
「何か言いました?」
「いいえ!」
くそぅ…。
頬をさすりさすりしながら、ふと思った。
「つまりは…。鬼鮫さんの寿命は皆さんと同じく250年だったりします?」
「いや、彼の場合は人間と同じだろう。」
「…何で分かるんですか?」
見た目で判断するのかな…?
「オーラが違うのさ。魔力だけがずば抜けて高いが、魔力を留めておく器を持ち合わせていない。魔力が絶えず吹き出し、霧散している。」
「普通は…霧散しない?」
「あぁ、我らは誰に教わるでもなく、魔力を留めておける。それが、寿命が長い理由の一つと言えるだろう。」
「そう、なんですか…。」
分かるような…分からないような…。
…いや、なんだか百豪に似てるな。
むむっと眉根を寄せて考えてると、ライアさんが苦笑する。
「すまんな。なんせ生まれた時から当たり前に出来ることだから、説明しようがなくてな。」
「あぁううん、大丈夫です。ただ、仕組みが似てる術があるなぁと思って。」
「どんな術なんだ?」
「体の中にチャクラ…魔力を貯める器を作って、そこに日々少しずつ貯めていくんです。で、いざって時にはそこから一気に引き出して大技使ったりする、みたいな?」
創造再生の術って、ある意味大技で無敵タイムだよね。
「ふむ…。確かに似てはいるな。君はそれを使えるのか?」
私はふるふると首を振る。
「使えないです。貯めようと頑張ってはいるんですけど長くは続かなくて…。貯めては崩れて、また貯めて…の繰り返しですね。」
「あら。それじゃあ、私が教えましょうか?」
うわぁ!魅力的なお誘い!