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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ




全員の治療が終わり、場所を変えることになった。

今からお家に招待してくれるんだって。
つくづく医者やってて良かったって思ったっけ。
ご招待にあずかったのは一重に私の功績っしょ♪

あ、そうそう。
最初に声をかけてきた人、ライアさんって言うんだって。

「ライアさん、ここからどこまで歩くんですか?」

「そうはかからない。すぐそこなんだ。」

すぐそこ?

んん…?
見渡す限りの岩山なんだけど…。

え、もしかしてこんな侘しい所に住んでるの?
いやね、貧乏とかそういうレベルの問題とかじゃなくて、例えば家が点在してるとか、生活に必要そうな道具がここから見えるとか、そういうのが一切ないの。
本当に住んでるの?って聞きたくなるレベルって言ったらいいのか。
服装は、普通なんだよ?
原始人が着てるような、前と後ろを紐で留めました的なのじゃなくて、造りは複雑だし、民族衣装っぽい刺繍も綺麗だし、靴も布製っぽいちゃんとしたのだし。

つらつら考えながらライアさんを見てたら苦笑された。

「今見えているものが本物とは限らない。」

そう言うと、何かを掴むように手を空中に翳す。
すると、ふわっと棒状の何かを掴んだ。
そして、聞き取れない何かの言語をぶつぶつと呟くとふわんと空気が揺れ動き、波紋のように広がり、次の瞬間には見えてる世界が一変した。

そこに広がるのは、水の楽園の様な世界だった。
常春で、そこかしこに流れる水は清らかで透き通っていて、マイナスイオンをたっぷり含んだ様な澄んだ水のいい匂いが一帯を包んでいるみたい。
滝も点在していて、その近くにはぽつんぽつんと不思議な形の家々もある。
岩をくり抜いたにしては丸く、かまくらにしては切れ目がないって言ったらいいのかな…。
表現が難しんだけど、可愛いとも素敵とも言える様なフォルムで、一見すると家に見えないんだけど、出入りしてる人がそこかしこに見えるから家なんだなぁって分かるような感じ。
そして、心を掻き立てられるような、民族模様っぽい絵が描かれていてノスタルジック!

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