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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ




大分火を噴きまくったからか、火傷した人がちらほらと見える。
彼らは、怪我した人を庇いつつ臨戦態勢を崩さない。

「何をしに来た?」

私の一番手前にいた人が、睨んだまま問いかけてきた。
何をしにって…。

「この人のルーツを辿る旅をしてまして…。」

私が鬼鮫さんを紹介するように両手で指し示すと、その人の視線も鬼鮫さんへと向かう。

その人の顔のパーツそのものは人間に近いんだけど、配色はまんま鬼鮫さん。
普通と違うのは、指の間に垣間見える水かきと首元にあるエラのような切れ目。
更には、西洋風のお顔立ちとぴんと尖ってる耳。

「…そいつの血は既に我らとは違う。」

「”既に”ということは”かつて”は同じだった訳ですよね。」

「空気を読まない人ですねぇ。」

…何の話?

「皆まで言わせるつもりですか。…はあ。もういいですから好きにしてください。」

しっしっと手を振られたので、ひとまず置いておくことに。
鬼鮫さんから目の前の人に視線を戻した。

「教えてくれませんか?あなた方のことやそのルーツを。」

そう言ったら、益々顔を顰められた。

「何が目的だ…!?」

「…”何が目的だ”?」

え、今言ったよね…?

…あれ?
もしかして実は言語が違うとか?

確かえっと…。

「Do you understand… the language?」
「貴様は私を愚弄するつもりか?」

渾身の英会話がお気に召さなかった模様。
だって顔立ちが外人っぽいんだもん。
会話が噛み合わないし。

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