第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「あ、ねぇ。そういえばさ、お祭りの時何処行ってたの?急にいなくなるからびっくりしたよ。」
「あぁ…、あの時は急に暁からの呼び出しがあってな。」
「暁から?突然?」
何かそんな合図的なものあったっけ?
「念話、とでも言ったらいいのか。そういう連絡手段があるんだ。」
「ふ〜ん、便利だねぇ。あ。でも、いきなり呼び出しは返って不便か。」
前世でもあるあるだったね。
便利さ故の不便さ。
「驚かないのか?俺は最初に使った時は少し驚きがあったが。」
「う〜ん、真新しさはないかなぁ。前世でいうところの携帯電話みたいだし。」
「けいたいでんわ?」
「そう。番号の割り振られた機械を持つ人同士、その番号にかけると離れた所にいても会話ができるんだよ。トランシーバーってのもあったよ。機能は単純で、ボタン押しながら話すと相手に声が届いて、ボタン離して待機してると相手から返事が届く、みたいな。」
そう言ったら、ちょっと驚いて目を瞠った。
「…なるほどな。その様子だと、他にも色々な機械がありそうだな。」
「そりゃもう、機械系は単純なものから複雑怪奇なものまで様々。科学の発達した世界だったからね。」
「強ち、科学と馬鹿にできないな。」
「この世界での科学が初歩の初歩だからね。まだまだ伸び代あると思うよ。」
で、何の話だっけ…?
あ、そうだ。
「暁からの呼び出しは大丈夫だったの?」
「あぁ、問題ない。」
「そうなんだ。」
「悪いな。」
「いいよ、しょうがないさ。まぁでも、あのタイミングで抜けて良かったよ。」
「どうしてだ?」
「あれからすぐカカシ先生に捕まっちゃってさ。てっきり里に連行されるかと思ったけど、どうやら先生が別任務を負ってたらしくてさ。子守りを押し付けられたんだよね。」
カカシ先生って、何となく大雑把なところがある気がする。
押さえるところは押さえるけど、自分が”まあいいか”って判断したところは、一見きちんとしてるように見えて実は雑になってるんじゃないかな。
気持ちは分かるけど、その”雑”を振られた場合、こっちが痛い目みるんだよね。