第9章 久々に血が騒ぐわ…!
その頃、カカシとサクラは…。
「…先生、今日はやけにカラスが多いですね。」
サクラは時折り聞こえる、バサバサという鳥の羽ばたき音に反応を示していた。
視界の端では、黒い影を捕えることもある。
黒い鳥で身近なのはカラスだ。
だが、この時期にカラスの気配を感じるのは珍しいように思ったのだ。
「そうね。餌でも探してんじゃないの?」
カカシはその理由を勿論知っているが、サクラにそれを言えるわけがない。
ついでに言えば、いつまでも彼に護衛をさせておくのも忍なく思う。
その時、カカシは不意にカラスに纏わる話を思い出す。
「…そういえばさ、カラスって死体を喰らうって知ってた?だからカラスが集まる所には…」
「ちょっとちょっと先生!何言い出すの!?」
サクラは一気に顔色を青くさせて、カカシに少し寄り添い、きょろきょろと辺りを見回す。
「え、割と有名な話…」
「やめてよ怖くなるでしょ!?」
サクラは完全に震え上がって、小走りに走り出した。
―悪いな、イタチ。
カカシは苦笑しながら、サクラの後を追いかけた。