第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「あれ…?エニシさん、誰か来たんですか?」
「いや、知らないけど…。何かあったの?」
「机の上に籠が置いてあるんです。…蜂蜜と生姜、ですね。」
蜂蜜と生姜…?
風邪にはピッタリだけど…。
「…一体誰が?」
白と二人で首を傾げるも答えは出ず。
取り敢えず、ベッドから出て中身を確認。
クナイを包丁代わりに味見してみると…。
「これ、凄い鮮度抜群っていうか濃厚っていうか。」
生姜は凄い品質がいい物なんだなってよく分かる。
「これ…!」
蜂蜜を味見していた白は少し驚いた様子。
私も指に垂らして一口。
「うっまぁ〜。」
笑っちゃうくらい、フルーティーで濃厚で美味しかった。
「これ、水の国の蜂蜜かもしれません。滋養強壮に最適な品で有名なんですよ。」
「へぇ〜。」
確かに品質がいい。
私は小瓶をしげしげと見てみたけど、ノーラベルで情報は無い。
「誰だろうね。こんないい物くれるなんて。」
何気なく聞いてみたら、白は何故かくすりと笑った。
「さぁ、誰なんでしょうね。」
あれ、この感じは誰か知ってる?
「いいえ、僕は知りませんよ?」
「何も言ってないよ?」
さては?って思ったのに、白はくすくす笑うばかり。
「顔に書いてありますよ、エニシさん。」
ぶ〜。
腹芸って難しいわ〜。