第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「おはようございま〜す…。」
そっとドアを開けて中を覗くと、先生はもう既に着いていて、斬不斬さんと何やら話し込んでいた。
で、私に気づいた先生は、こちらに片手を上げる。
「よっ。ありがとさん。」
「どういたしまして。約束通り朝イチに来てくれて助かりました。」
ドアを開けてサクラちゃんを促すと、彼女は先生の傍にとたたっと走っていく。
先生に引き渡して、漸く肩の荷が降りてほっと一息。
「しっかし、随分ともこもこだねぇ。風邪ひいたの?」
「ひきました。そりゃ、真冬にずぶ濡れになれば誰だってこうなると思います。ナルトは大丈夫でした?」
「そういえば、昨日ちょっと喉が痛いって言ってたかな。今日はけろっとしてたけど。」
「…どんだけ丈夫なんだ、あの子は。」
そういえば、血が近い綱手様も風邪ひいてるとこ見たことないかも。
うずまき一族ってすげぇんだな…。
「ま、助かったよ。これ、シズネからお前にって。」
何だろ?
先生から差し出された茶色の紙袋を受け取る。
「かぜ薬だってさ。こうなること読んでたみたいよ。」
「さすがシズネさん…!マジ天使…!最高のタイミング…!」
これぞ神対応!!
ガサゴソっと開けると、白い包み紙が幾つか入っていた。
「良かったぁ〜…。」
自分で調達しなきゃと思ってたから、どうしようかと内心頭抱えてたんだよね。
シズネさんからなら効能は間違いないし、きっとよく効く。
私は嬉しさのあまり、半泣きで紙袋に頬ずりした。
「シズネさんと綱手様にうんとお礼言っといてください。」
シズネさんが作ったんなら、綱手様も一緒にやってくれただろうから。
「言っておくよ。…まぁ、なんだ…。」
何か切り出したまま言葉が切れたもんだから、不思議に思って見上げると、珍しく困りきった顔で少し笑っていた。