第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「あ〜酷い目にあったわ〜。」
ガチャっと自室のドアを開けると、窓の外を見ていたらしいイタチが立っていた。
「え〜と…。どこから突っ込んでいいのやら…?」
何でここにいるんでしょう?
いや、いてもいいんだけどね。
っていうか途中、何処行ってたんでしょう?
何処かへ行っててくれたからカカシ先生達と鉢合わせしないで済んだのはラッキーだったんだけれども。
けど、サクラちゃんの前でそれを問いただすわけにもいかず…。
イタチもサクラちゃんを見て、小さくため息をついた。
「俺も言いたいことは色々あるが…。取り敢えず、鍵もかけずに部屋を出ないことだな。不用心が過ぎるぞ。」
そう言って、すれ違い様に鍵を見せるように手渡された。
いつもは、ドアの近くに置きっぱなしにしてある。
あ、そう言えば今日は武器類全部、部屋に置きっぱなしの日だったんだよね。
「ごめん。ありがと。」
背中に向かって言うと、一度手が小さく上がっただけで、振り返らずパタンと出ていってしまった。
まぁ、いっか。
取り敢えずは点検しなきゃ。
今日は誰も部屋に入れるわけにはいかないもんね。
まずはドアの鍵をカチャリと。
窓も洗面所もOK、と。
「んじゃ、ちょっと待っててね。お風呂入ってくるから。自由にしてて。」
「はい。」
少し緊張した様子だったけど、しっかり頷いたのを見て、私はやっとお風呂にありつけた。
はあぁ、寒かった〜。
湯船にしっかり浸かったんだけど、芯から冷えたせいか、温まったようなそうでもないような。
けど、ゆっくりしてもいられないからそのまま出てきた。
「おまたせ〜。サクラちゃんも…。」
ありゃりゃ。
寝ちゃった。
「ふふっ。かわいっ。」
疲れたんだね。
お祭りで練り歩って、帰ったら鬼鮫さんに追いかけられて。
白に預けられたかと思いきや、追いかけてきた人とご対面で極度の緊張状態。
そりゃ、ばったんきゅ〜だよね。
私のベッドの上で寝てたもんだから、額当てを取って靴を脱がして、そのまま布団に入れてあげた。
「さてと…。」
私、今晩何処で寝ようかしら…?