第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「へっくしょん!」
ゔぅ、さぶい…。
陽が落ちる頃にナルトを見送って、その後にここに来たもんだから、夜風にもろに当たって寒いのなんの。
濡れた体には覿面に堪えます。
「明日風邪でも引くんじゃないですか?」
鬼鮫さんが他人事のように言うのに、ちょっとイラッとする。
誰のせいだと思ってるんでしょうかねぇ、ほんと。
「誰かさんが大きな水の玉に閉じ込めるもんでねぇ。思いっきり水に浸かることになりまして?」
「おやおや、それは大変でしたねぇ。」
「他人事ってひどくないですか?」
じとっと見ても、鬼鮫さんはこっちを見ようともしないし。
「だったら、手を出さなければ良かったのでは?」
「目の前でナルトを誘拐されるのは納得いかなかったもので。」
そう言ったら鼻で笑われた。
「精々、自分の運の無さを恨むことですねぇ。」
「かぁ〜、腹立たしや。ちっとも労ってくれないんだから!」
ふんだっ!
「サクラちゃん、行こう。」
「え、あ、はいっ。」
私は、サクラちゃんの手を引いて暖かい社長室を出る。
すると一気に熱を奪われて、体感的に寒さが更に増す。
「はっくしょん!!」
ほんとに風邪ひきそ〜!