第9章 久々に血が騒ぐわ…!
そうかからない内に、こちらに手を振る人影を捉える。
その頭は白髪で…
「ちょっと。」
「…!あの…。」
ナルトを白に預けると途端に身軽になり、そのままの勢いで駆け出した。
「なにしてくれとんじゃこらあぁぁ!!!」
「え、あ、え…!?」
さすがカカシ先生。飛び蹴りは華麗にスルーされた。
けど、服の端はガッツリ捕まえたから、そのまま肩車よろしくのしかかった。
「ちびっ子達置いてってどうなったと思う?ねぇどうなったと思う!?」
「あの、ゴメンナサイ…。」
「謝って済むことじゃないよね!?」
アイアンクローをしようと思ったら手を入れられて防がれた。
「暁に襲われたんだよ!白から聞いたでしょ!?私が撃沈したらどうするつもりだったのよ!!」
悔し紛れに、締めるはずだった腕をぐりぐりと揺らす。
チャクラ切れで怪力が使えないのが悔しいところ。
「悪い悪い。だけど、お前に預けて正解だったよ。」
「あ゛!?」
「そう怒るなよ。なんだかんだ言っても、ちゃんとナルトとサクラを守ってくれたじゃないの。」
そんな優しそうな顔と言葉に騙されると思うなよ!
「がるるるる…!」
怒りは収まらないんだかんな!!
「悪かったって、な?」
すまなそうな様子に、私は渋々カカシ先生から降りて、じと目で見上げる。
「…貸し1だかんね?」
いつか返してもわにゃ割に合わん!
「なぁなぁ、サクラちゃんは?」
え、サクラちゃんいないの?
ナルトの声に、きょろきょろと二人で見回すも、あの子の姿は見当たらず。
二人で顔を見合わせて、同時に先生を見上げると苦笑された。