第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「なぁ、何でお前だけが知ってんだってばよ?それって変じゃねぇか?」
「…ソウデスネ。」
あぁ…。
何で今この局面で、考えが纏まらないようなこと言い出すんだよ…。
…まぁ、そりゃそうか。
いつでも会える間柄じゃないしな。
「…ナルトが信じられるかどうか分からないよ?」
「それは俺が決めるってばよ。」
「あ、そう…。」
取り敢えず、上手い嘘も思いつかないしな。
「私さ、小さい頃に頭打ったことがきっかけで前世思い出してさ。」
「ぜんせ…って、何だ?」
「今生きてるのとは、別の世界、別の時代で生きていた時の記憶っつったら分かる?」
「…まぁ、なんとなく…。」
首を捻りつつ、取り敢えず呑み込んでくれた。
「その時にさ、とある本を読んだの。ここの世界そのものが舞台で、主役は四人。
白い髪の人と黄色い髪の子、ピンク色の髪の子に黒髪の子。」
「それって…。」
ナルトは嬉しいような困惑するような複雑な顔。
「黄色い髪の子の中には、それはそれは大きな狐さんが住んでたの。最初はまぁ仲が悪いこと悪いこと。何度、冷や冷やしたことか。」
暴走する度に、テレビの前でハラハラしてたっけ。
「けれど、二人は段々と打ち解けあって認め合っていく。その関わりの中で、黄色い髪の子は狐さんの名前を知っていったの。」
私は辺りを警戒しながらも、小さな声で語っていく。
「だからさ、私が知ってるのは反則なのよ。狐さんにとって、名前は大事な宝物なんだと私は思ってる。本当は、あんな風に脅すようにしちゃいけないものなんだよ。」
そう言ったら、息を呑んだ。
でも、本当にそう思ってる。
“くらま”って名前は六道仙人様から貰った、形見のようなものなんじゃなかろうか、と。
「だからさ、あんたも狐さんから直接聞きなよ。」
「でも…。」
ナルトは、沈んだ様子で肩を落とす。