第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「はぁ、はぁ、はぁ、はあぁぁぁ…疲れたぁ…。」
マジでしんどかったー。
チャクラ切れそうだし。
肌が火傷でひりひりする。
漁船港の中に入って一旦休憩。
入り口近くに待機していつでも抜け出せるようにしておく。
建物の影から外を覗くと、
「派手にやるねぇ。」
海上ではまだ水飛沫が上がっている。
「へへっ、すげぇだろ!」
「ばか…!しー…!」
得意気に大声でふんぞり返るナルトを慌てて止めた。
「な、何でだよ?」
「今、外から見えない術かけてるから。この膜、分かるでしょ?」
ナルトは、陽の光できらきらした膜を不思議そうに見上げる。
「うん。」
「この膜が張ってある間中は私語厳禁。姿は隠せても声とか音までは隠せないから。話すなら最低限、小さな声で。いいね?」
「分かったってばよ。」
頷きながら答えたナルトを見て、また海の方に目を向けた。
しっかし、ここからどうするか。
チャクラ切れ寸前で、天ノ羽衣だけで手一杯状態。
正直、今襲われたら正直一溜りもない。
「なぁなぁ…。そういえばさ、お前ってば…。何で名前知ってんだ?」
「…何の話?」
いきなりどうした?
「九尾の話だよ。」
「あ、あぁ…そっちか。」
全然別のこと考えてたから何のことか分からなかった。
「なぁ、何でだ?」
「何でって、言われてもなぁ…。」
何ていうか…。
ここでする話じゃないっていうか…。
「どこで知ったんだってばよ?」
「何処って…言われても…。」
日本なんですけど…。
ごにょごにょと口篭ってると、段々とナルトがムッとした顔つきになってきた。
「…何で隠すんだってばよ。」
「…う、う〜ん…。」
答えようがないんだよね…。
「気にいらねぇ。何でお前が九尾の名前知ってて、俺は知らねぇんだってばよ。九尾は俺ん中にいるんだぞ?」
「あぁ、うん、そうだね…。」
「なのに何で俺だけ…。」
「いや、多分知ってるの私だけだから。」
…口が滑った…。
案の定、ナルトの目が大きく開く。