第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「死んでくれりゃあ、儂にとっては万々歳だな。」
あ、これ埒があかないヤツだ。
平行線の言い合いしてたら、こっちが先にお陀仏になる。
「あ、そうだそうだ。私、そういえば小さい頃あなた宛に手紙出したことあるんだよな〜。」
狐さんの目がぐりんと動き、どぎつい睨み目を向けられる。
「”あなたの未来を知ってます”って書いたような気がするな〜。あなたの名前…」
「それ以上、言うんじゃねぇ!!」
ビリビリと場を震わすほどの殺気に思わず首を竦めたけど、怯んでる暇はない。
「じゃ、力貸してください。」
平然を装って詰め寄ると、ぎりぎりと音がしそうな程の大きな牙を見せながら唸られた。
「てめぇ…!」
猛獣に食い殺されそうな怖さがある。
「卑怯だって自覚はあります。やり方が汚いのも重々承知です。けど、今、死ぬか生きるかの瀬戸際なんです。手段や手順を選んでられないんです。」
「知ったことかって言ってんだよ!!」
「もう、頼れる人はあなた以外にいないんです!」
「俺は人間じゃねぇ!!」
「知ってます。でも、あなたは言葉を知ってるじゃないですか!話せるじゃないですか!言葉の通じないロボットや動物じゃないんです!!」
だったら、頼るでしょ!
頼りたくなるでしょ!?
強いんだもん!!
「煩せぇんだよ!!」
「お願いします!!」
引くもんか!!
「失せろ!!」
「嫌です。んじゃ名前叫んじゃうもんねーだ。あなたの名前は〜…」
「喧しいわ!!あ〜あ〜あ〜!煩せぇな!好きに使え!」
そうして、投げるようによこされた、チャクラを受け取ったところで現実に引き戻される。