第9章 久々に血が騒ぐわ…!
さっき、やっぱりナルトだけでも手放すべきだったのか…。
でも、そしたら益々鬼鮫さんの思う壺だったような気もする。
手を離した瞬間、速攻で捕まる絵しか思い浮かばない。
子どものナルトを守りながら攻めも守りもなんて、鬼鮫さん相手に無茶だ。
せめて…。せめて、あと一人いれば…
いるじゃん。
ナルトの中に。
がぼがぼっと溺れてるナルトの肩を鷲掴んで揺する。
そして、目が合った一瞬のうちに写輪眼で中へと入り込んだ。
目の前には頑丈そうな、太くて赤々と塗られたような檻が聳え立つ。
その奥からは、突き刺すような刺々しいチャクラが絶えず流れてきていた。
そこに、ぬっと大きな目が現れて、髭、耳、顔、手、体と全体像も浮き上がる。
でっっっかっ!!
「エニシ!?お前…!何で!?」
「ふん…糞忌々しい。その目はうち…」
「お願いがあります!!」
この際、口上なんて聞いてられるか!
もう息が続かないのよ!
「どうか、力を貸してください!」
誠意を見せるため、深々と頭を下げる。
この人のチャクラを借りられれば、ここから抜け出せるかもしれない!
「ぬはははっ!どんなクズが来たのかと思いきや、ただの阿呆か。拍子抜けだぜ。」
「今、死にそうな場面なんです!私一人じゃどうにも出来ないんです。あなたのチャクラを貸してもらえれば、どうにかなるかもしれません。」
「知らねぇよ、そんなこと。儂にはどうだっていいことだ。人間一人どこで死のうが生きようが興味ねぇよ。」
「ナルトも危ない局面ですよ?」
ナルトもどうだっていいの?