第9章 久々に血が騒ぐわ…!
祭囃子を背にして三人で歩き、タズナさん宅へと向かう。
二人は、あれやこれやと手元のものを見せっこしながら、競ったり笑い合ったり。戻るまでの間、とても楽しそうだった。
「あ〜やれやれ。やっとこ見えてきたぞ〜。」
もう、くったくた。
「もうへばってるのかよ〜。体力ねぇなぁ。」
「うるさいの。大人になってくると、色々と疲れやすくなってくるんですーだ。」
「あれ?…ねぇ、家の前に誰かいるよ。」
サクラちゃんから、くいくいっと服を引っ張られてそちらを向くと、確かに家の前に誰か立っていた。
一瞬、カカシ先生かと思ったんだけど、シルエットが全然違う。
しかもあれ、見覚えのあるシルエット…
「ひっ…!!」
まずい!!
ボボンっ!!
私は慌てて影分身を二体出すと、一体をその場に残して本体でナルトを抱え、もう一体でサクラちゃんを抱えて、一目散に逃げ出した。
「やばいやばいやばい…!!」
「な、何なんだよっ!?」
「どうしたの…!?」
「追っ手が来た!!」
ゴゴゴゴゴ…!
「な、何の音だってばよ…?」
この地鳴りのような音は…!
後ろを振り向くと、ここで起こる筈のない現象が起こっていた。
「あわわわわわ…!!」
見上げるほど高い波があり得ない速度で襲いかかってくる。
その波に影分身もやられたらしく、情報が流れ込んできた。
「やっぱ鬼鮫さんだったあぁぁぁ!!」
おそらくは鬼鮫さんの十八番、爆水衝波だ!