第9章 久々に血が騒ぐわ…!
二人の両手には、ヨーヨーやら景品やら綿飴やら…、よくもまぁ…って言いたくなるくらいに漫喫のご様子。
「やっぱ祭りはいいな〜。」
「サスケ君も来ればよかったのにね〜。」
「…俺はサスケがいない方が…」
「あ、エニシさん!次、あそこに行きたい!」
「あ、ちょっとちょっと…!」
まぁまぁ強めな力で引っ張られる。
サクラちゃんって意外に元々の力強いのかも。
引っ張られて行った先にあったのが、囲炉裏の屋台。
チョイスが意外に渋いわね。
「いらっしゃいませ〜。あら、エニシちゃんじゃないの〜。」
「こんちわ〜お邪魔しま〜す。」
「その子達どうしたの?」
私は「あぁ」と苦笑する。
「知り合いの子守りを頼まれまして。」
「子守りじゃないってばよ。」
「子守りじゃないわ。」
…これが子守りじゃなきゃなんなのさ?
じとっと見ると、二人は得意げに胸を張る。
「私だって立派な下忍なんですから。」
「俺だって将来は立派な火影だもんね〜。」
「…今は鼻垂れ小僧だけどね。」
げしっ!
「痛った!何すんのよ。」
蹴りやがったよ、こいつ。
「おめぇが余計なこと言うからだろっ!」
ふんっと腕を組んでそっぽを向くナルト。
ったく、一丁前に…。
「あはははっ、可愛い子達だねぇ。」
可愛いだけで済まないんだけどね…。
二人は、可愛いと褒められて嬉しそうににまにまと笑っている。
「さて、ご注文は何にします?」
おばちゃんの言葉に、サクラちゃんのキラキラおめめが焼き団子に向く。
「これください!」
「はいよ。甘味噌でいいかい?」
おばちゃんが用意しながらサクラちゃんに聞くと、「はい」と返事をする。
私、何にしようかな?
つっても鶏か魚か焼き団子かなんだけど。
「俺は…手羽先くれってばよ。」
「私、焼き魚ください。」
「はいはい。ちょっと待ってね〜。」
わぁ、甘味噌ダレのいい匂い…。
「おばちゃん、やっぱり私も焼き団子追加で。」
「はいよ。」
おばちゃんは笑いながら、串を一本囲炉裏に追加した。