第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「…エニシといい、あなたといい…。いや、あなたの場合はエニシに影響され過ぎです。」
「ははっ。バレたか。」
「態とですか。」
「いや、全部本心だよ。俺はサスケの力になりたいし、そうすることで巡り巡ってお前の為にもなると思ってる。エニシに肖ったところはあったけどな。」
その言葉に、イタチは少し眉を寄せて渋い顔をした。
すると、ふっとカカシから笑みが溢れた。
「…そっくりだな。」
イタチは何のことか分からず怪訝な顔を向けると、カカシの目元が益々優しく緩む。
「サスケもよくそういう顔するんだよ。やっぱりお前達は兄弟だな。」
それを聞き、イタチは驚いたように目を瞠った。
次いで、ゆるゆると喜びと悲しみを綯い交ぜにしたような複雑な表情を見せた。
カカシは内心驚いていた。
同時に、イタチに昔の面影を見た気がした。
―サスケを憎んでなかったのか。寧ろ…。
ほっと安堵するも、何故憎まれるように仕向けているのかが理解できなかった。
何がイタチをそこまで追い詰めてしまっているのか。
「…場所を移します。」
イタチはそう言うと、その場を離れた。