第3章 久方ぶりの里帰り1
『え゛。何で木遁の事知ってるの?』
テンゾウさんはカカシ先生を見るも、先生は首を横に振る。
あれ?オフレコでしたっけ?この情報。
『あー…。噂で。』
嘘だぁ、みたいな事言われたけど、知らん知らん。
『謝礼なら弾みますから!1週間で十万両でどうでしょう!?』
畳み掛けるが勝ちよ!
案の定、目が食いついた。
『…ねぇ、俺は?』
『カカシ先生は、テンゾウさん紹介料+一週間整備手伝いで一万両でお願いします。』
私は交渉の余地なく、きっぱりと言い切る。
先生と価格交渉なんてやったら、財布が足りなくなる。
テンゾウさんは、逡巡した後、いいよ、と依頼を受けてくれた。
『やったぁ〜!』
私は両手を上げて喜んだ。
『よし、やりましょう。すぐにかかりましょう。お願いします!』
若干引き気味のテンゾウさんの手を引く。
『相変わらず、押しが強い奴だな。』
『だが、あの真っ直ぐさは、少し羨ましい気もするがな。』
兄ちゃんとイタチが笑う。
そんなこんなで、ほぼほぼ泊まり込みで村を整えた。
楽しかったなぁ。
あんなにわくわくしながら汗水垂らして頑張ったことってなかったかも。
五人での共同作業。
短い様で長かった一週間。
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外がいつの間にか明るくなっていた。
鳥の声や、人の声がする。
私はまだ夢現にぼんやりと窓から見える青空を眺める。