第9章 久々に血が騒ぐわ…!
先生は少し間を置いて、迷いながらも口を開く。
「…木の葉に…里に戻ってこないか?」
「…は?」
思わず声が低くなった。
カカシ先生はそれに気づいて眉を少し顰めたけど、止める気はないらしい。
「お前は綱手様の弟子なんだし、根のことだって黙らせられる。…もう、お前は抜忍である必要はないんだ。」
だから、戻ってこいって?
笑える。
「ふふっ…。戻る、ねぇ…。くくっあははっ。面白い冗談だわ。」
「エニシ…。」
腹の奥底が沸々する。
体の血が沸騰するみたいに熱くなっていくみたい。
「一つ、面白いこと教えてあげる。」
私の様子に、カカシ先生ははっきりと眉を顰めた。
「ダンゾウは、とある時から全身に包帯を巻いている筈よ。顔の右半分と右腕に。何でだと思う?」
先生は目を一瞬眇めただけで何も言わない。
「顔には兄ちゃんの万華鏡が埋まってるのよ。これが何を意味するか分かるでしょう?」
先生は、ゆるゆると驚愕に目を瞠っていく。
「腕には一族の写輪眼がびっしり埋まってるわ。」
あいつは私達うちは一族を道具のようにしか思っていない。
あいつにとって写輪眼は武器の一つなのよ。
「あのクソ野郎のお膝元になんて戻りたくなんてないわ。ねぇ、どうしてうちはは排斥されてクソ野郎が許されてるの?その矛盾はどう説明するの?」
クソ野郎がやったことは、何をどうしたって許せない。
なのに…それが罷り通ってるのが現状。
「本当に私を戻したい?戻してもいいけど、それで里が転覆する事態になっても責任は取れないわよ。」
「復讐でもするつもりか?」
先生は悲しそうに目を眇めた。
「そうね、それもいいかもしれない。あいつはサスケさえも、きっと今か今かと食い殺そうと構えてるんだから殺したって構わないでしょ?」
殺られるまで待ってる必要は、どこにもない。
「それは…イタチの望むことか?」
「いいえ、私の意志よ。イタチは関係ないわ。」
イタチがそんなこと望むわけがない。
寧ろ、イタチの望みと真逆になる。