第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「こんちわ〜。」
「お、いらっしゃい!こっちに来てたのかい。」
「ちょっとだけ滞在してます。落ち着いたらまた出るよ〜。」
「なんだ、今回は短いな。」
「私は元々お手伝い要員だからね〜。もう、あの二人だけでも回せるから平気、平気。」
「寂しいこと言うない。もっと寄ってきゃあいいじゃねぇか。」
「私もそうしたいのは山々なんだけどねぇ。色々と手が離せないことがあるのよ。」
これ何度目のセリフでしょうか。
行く先々で「もっと寄ってけ」コールを受けておりまする。
嬉しいんだけど、さすがに疲れてきたよ。
「あ、そうだ。ほれ、これ試作品。」
そう言って差し出されたのは小さなハイビスカスの造花が可愛いストラップ。
「わぁ、可愛い〜。これ、色はもっと増やせます?」
「おう、増やせるぜ。」
「最低三色はほしいかな。欲を言えば七色がベスト。一つずつ付けてもいいし、同系色同士で纏めてもいいかもしれない。」
「同系色?」
「赤と橙、青と緑、黄色と橙、みたいな。意外と華やかになりますよ。」
「同系色ねぇ。」
「あとは、オリジナルストラップ。造花とストラップと細かい部品、それと簡単に工具を用意して、割増し料金で手作りコーナーを設ける。そしたら、お客さんの好きな色や組み合わせで店頭にないストラップが作れるし。欲を言えばストラップにもちょっと拘りを…」
「ちょ、ちょ〜っと待ってくれ、な?」
あ、つい。
…おじさん困っちゃうってか?
すまんすまん。
「まぁ、とりあえずは。当面は認知を広げる為に三色くらいのストラップを売り出したらいいのかと。」
「まぁ、そこからだな。」
「だね〜。方向性はこれで。じゃあ、また寄らせてもらいま〜す。」
「おう。楽しんでってくれよ。」
さてと…。
イタチもいるし、一回休憩しますか。