第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「いや〜、出るわ出るわ。宝の山。」
ちょっと型の違う物が二種、木箱の中に綿に包まり詰まってました。
木箱を社長室にドン、ドン、ドンと運び入れる。
占めて三十丁程。
偶然見つけた、とはとても思えない量だ。
「どこでこんな量を手に入れたんでしょうね?」
「どこなんだろうね〜。ほんと怖いよ。」
首を捻る白の隣で、腕を抱えて大袈裟に震える私。
「エニシさん、本当に出所知りませんか?」
知らん知らん。
そこはがんばって自力で調べておくれ。
「白、出番だよ〜。」
丸投げのように言ったら、ちょっとムッとされてしまった。
「エニシさんも手伝ってくださいよ。」
「手が空いてたら喜んでやるわ。」
今は手が離せんのです。
イタチで手一杯であります。
「海凪亜門の伝を借りりゃあいいだろうが。何の為に手を組んだと思ってやがる。」
伝を頼ってもいいと思えるくらいには良好な関係みたいだね。
白は少し不安そうだから、斬不斬さんほど手を借りようとは思わないみたい。会ったことないんだから当然と言えば当然だね。
「もし、海凪亜門を頼るんだったら、ラウンジ裏にあったお酒を手土産に持って行ってみてくれません?」
「酒をか?」
「そうそう。酒瓶ラベルを目にした時の反応を知りたいですよね。大名クラスなら知る人ぞ知る知識なのか否か。」
ガトー亡き後、大黒天善が出張って来た。
その大黒天善は水の国大名、沖凪夜志と繋がってる。
これは何かあるんじゃないの〜?と疑いたくなるのが人情というもの。
「…ふん、面白れぇ。」
悪い顔でニヤリと笑う斬不斬さん。
堂に入ってますなぁ。