第9章 久々に血が騒ぐわ…!
同じ要領で人のいそうな建物全てに襲撃をかけて、手下共を一掃した。
で、その中の一つの建物最上階で珍しい物を見つけた。
丁度、金庫みたいなキャビネットが壊れて中からどばっと書類が出てきたんだよね。
ジャリ、ジャリ、と二つの足音が聞こえてきて、入り口に目を向ける。
「お疲れ様で〜す。」
「随分と暴れたな。」
「そりゃまぁ、暴れ役ですからね。」
「うちより酷い有様になりましたね。」
「他人ん家だからね。どうでもいいし。」
片付けるのは私じゃないので。
「あれ?そういえば、白の戦闘服姿って初めて見たかも。」
改めて見てみると、グレーのハイネックにモスグリーンの着物、グレーの麻のズボンに下駄(サンダルなのか?)。
髪は団子に結って白布で覆い、ターコイズブルーの紐で留めている。
額には、斬不斬さんとお揃いのグレーの布地で額当てを縛って留めている。
いつもは、低い位置でポニーテールにしてるだけだから感じが全然違う。
普段は服装もラフな格好が多いし。
「気づくの遅くないですか?」
私の言葉に白は少し呆れたように苦笑した。
「朝は色々バタバタしてたもんで。でもなんか新鮮だね。私、白のその姿好きなんだよね〜。」
白は、それを聞いて目を瞠る。
「初めて見たんでしょう?」
「前世だと、その姿の方が馴染み深いのよ。」
「…何ていうか、複雑ですね。」
まぁ、そうだよね。
初めて見たのに馴染み深いって言われたらね。