第9章 久々に血が騒ぐわ…!
…確認しましょう、とは言ったものの…まぁ、今更確認することもないので、そのまま現場に直行。
眼下に見下ろす先には、廃れた廃屋ビルがぽつぽつと。
と言っても精々が三階建てだからビルって言っていいのかも疑問だけど。
じゃあ、何でビルって言ったかというと、他の家と違って屋根がないの。まんま、立方体の建物なんだわ。
めちゃくちゃ景色に馴染んでない感じ。
前世だったらまだしも、今世はバリバリ違和感ありまくり。
「…斬不斬さん。ぜひともガトーの生態を解き明かしてくれません?何者だったの、あいつ。超怖いんだけど。」
「何の話だ?」
「アジトの話ですよ。あれ、前世でいうところの廃屋ビルってやつです。」
「…あれも前世で馴染みあるものであると?」
「そう。前世だとあんな感じの建物で60階とか100階建てのビルとかあったの。」
東京は半端なかった。
見上げてもてっぺんがよく見えない建物がにょきにょき生えてるもんね。
白は信じられないような感じで目を瞬かせ、斬不斬さんは怪訝そうな顔をした。
「…100階?」
「よく崩れねぇな。」
「うん、私も仕組みはよく知らない。けど、自然倒壊とかは一度も聞いたことがなかったですね。」
あるとしたら、地震による半壊や倒壊。
土台がそれだけ頑丈だったってことかしら。
「信じられねぇ世界だな。」
「科学力は半端なかったですよ。だからこそ、ガトーが怖いんですよ。未知の知識を知ってたらって考えると恐ろしいっていうか。何に使うか分かったもんじゃないですからね。」
「碌でもない奴でしたからね。」
「益々その知識、手に入れてぇもんだな。」
「ぜひ、よろしくお願いします。さて、そろそろ行きますか。」
私は炙り出す役で、斬不斬さんが仕留める役、白が取り零しのフォロー。
「ヘマするなよ。」
「もっちろん♪行ってきま〜す。」
うふふ♪
血が騒ぐわぁ。