第9章 久々に血が騒ぐわ…!
「おう、来たか。」
「おはようございます。」
「おはようございます。昨日は本当にすみませんでした。」
ドアを開けて開口一番の謝罪です。
「都合よく、うちはイタチが通りかかって良かったな。潰れた酔っ払いをどうすりゃいいかと一瞬悩んじまったぜ。」
肩をすくめる斬不斬さんに、もう一回頭を下げた。
「ご迷惑おかけしました。以後、呑み過ぎに注意します。」
って言ったら、隣からの視線が刺さる。
「…うん、分かってるよ。呑みたい時はイタチを頼るから。ごめんて。」
「不用意に呑むなよ?」
「はい…、以後気をつけます…。」
まだ怒っとるがな…。
「エニシさんの場合は、お目付け役がいた方がいいかもしれませんね。」
「白まで…。」
くすくすと笑う白に、じと目を向けといた。
でも、昨日のお酒美味しかったな〜。
もう一回だけでも呑んでみたい。
って思った矢先、
「ほらよ。気に入ってたみてぇだから、やるよ。」
斬不斬さんから酒瓶を差し出された。
それは、昨日私が呑んでた…
「ラム酒!!」
思わず手を伸ばしたら、「おい」と首根っこ掴まれた。
「まだ懲りないのか?」
「それはそれ、これはこれで。場所は選ぶから、お願い!」
こんないいお酒、滅多に巡り会えないし!
私が両手を合わせて頼み込むと、イタチは益々眉を顰める。
「お前は〜…!」
「今度は一緒に呑もうよ〜!イタチも呑んでみたら分かるって!美味しいから!」
「もう呑んだから知ってる。だから要らない。」
「私はもう一回呑みたいから欲しい!」
「ほう?珍しいですね。あなたがお酒を呑むなんて。いつ呑んだので?」
あ、あれ?鬼鮫さんいつ来たんだろ?
ナチュラルに会話に入ってきたもんだから二度見してしまった。